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岩澤重夫(いわさわしげお)

岩澤重夫は、1927(昭和2)1125日に大分県日田市で生まれた日本画家である。

大分県立日田中学校を卒業後、画家を志し京都市立美術専門学校(現・京都市立芸術大学)へ入学。在学中、1951(昭和26)に「芥子」で日展初入選を果たし以降毎年出品。同学校卒業後は東丘塾へ入門し堂本印象へ師事、日展を中心に活動する。

初期の作品は風景画でも抽象表現を用いた実験的な作品を描くこともあったが、年を経るごとに写実性の高い自然風景を描くようになる。その細やかな筆致と幾重にも重ねた色使いによって丁寧に描き出す作風は、故郷である耶馬溪を描いた「天響水心」に代表されるように山間の深い緑の瑞々しい美しさから「翠の風景画家」と呼ばれた。

1960(昭和35)の第3回新日展にて「堰」が、翌年第4回新日展にて「晨暉」がそれぞれ特選・白寿賞を連続受賞し、1985(昭和60)には第17回日展にて「氣」が文部大臣賞を受賞するなど着実に画壇での地位を築き、日展理事、日本芸術院会員、日展常任理事、日展顧問を歴任。遺作となった京都・金閣寺(鹿苑寺)の障壁画をはじめ、日田市や名古屋市などの公共施設、東京歌舞伎座、京都南座の緞帳の原画制作も手掛けた。これらの功績により2009(平成21)に文化功労者となるが同年117日に肺炎のため逝去。81歳であった。

息子である現代芸術家・岩澤有径が生前の作品などを日田市に寄贈し、それらは平成27年開館予定の大分県立美術館にて公開予定とされている。

 

略歴

1927年 大分県日田市に生まれる

1945年 県立日田中学(旧制)卒業

1947年 京都市立美術専門学校入学

1951年 「芥子」で日展初入選、以降連続入選

1954年 東丘社に入塾、堂本印象に師事

1957年 「漁村」で関西総合展第1

1960年 「堰」で新日展特選・白寿賞受賞

1961年 「晨暉」で新日展入選

1968年 「昇る太陽」で新日展菊華賞受賞

1975年 紺綬褒章受賞(以降9)

1985年 「氣」で改組日展文部大臣賞受賞

             「古都追想(西安)」で山種美術館賞展大賞受賞

1992年   MOA美術館岡田重吉賞大賞受賞

1993年 「渓韻」で日本芸術院賞受賞・日展理事に就任

2000年 日本芸術院会員就任

2002年 勲三等瑞宝章受賞

2008年 日展顧問就任

2009年 文化功労者、11月に逝去

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