あなたとアートをつなぐ、名古屋の画廊 松徳

【2014.7.11】 藤田嗣治の足跡を追う旅~フランス編~ ランスにて vol.3

2014/08/20

藤田嗣治の生涯において一番の大作と言えるのが、

ランス市内のシャンパン醸造所《マム》の敷地内にある、

 

「ノートル=ダム・ド・ラ・ペ(日本語訳:平和の聖母)礼拝堂」、

 

通称『 フジタ礼拝堂 』です。

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《マム》のオーナーが藤田氏のパトロンであったことから、

建物の構想から全て藤田氏自身の思うように造られたものです。

 

礼拝堂と聞いていたのである程度大きな建造物をイメージしていましたが、

実際に観てみると草木に囲まれた敷地の中にひっそりと建っている、

こじんまりとした白い石造りの建物でした。

 

ですが、中に足を踏み入れて眺めると四方の壁や天井は

藤田氏が当時既に80歳近くでありながら、

初めて挑戦したフレスコ画の宗教画が全面を覆い尽くしていて迫力満点です。

 

フレスコ技法は独特な手順と気候条件により、

一切の修正が出来ず、

素早く描いていかなければならない非常に高度な技術を要します。

一面に広がる受胎告知やキリストの受難などにまつわるフレスコ画を、

高齢になって初めて取り組んだとは思えない芸術的完成度の高さには

ただただ舌を巻くほどです。

 

また、絵の中に君代夫人や《マム》のオーナー、

藤田氏自身の姿が紛れ込んでいたりなどといった面白味もあり、

とても見応えがありました。

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左:マムのオーナーと藤田氏  右:君代夫人

 

 

本人の遺言に従ってこの礼拝堂の祭壇の横に藤田氏と君代夫人が埋葬されているのですが、

日本人で藤田氏のファンである人が訪れることが度々あるのか、

墓標の上に折り紙で作られた折り鶴がいくつか供えてあるのが印象的でした。

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この下に藤田夫妻が眠っています。